君といると楽だから。

「あー! やっぱり、鉢屋三郎先輩だ!」
「ご名答~」

いつもの如く、忍術学園の生徒たちに変装して悪戯をしかけている鉢屋三郎。
乱太郎たちが後ろでまだ、喚いているが、今度は道を歩いていた立花仙蔵に化けて後ろからの追ってを巻く。
5年生の教室に戻り、予習のページをどこにしようか迷っている不破雷蔵の隣に腰かける。
そして、瞬時に不破雷蔵の定番の顔に落ち着いた。

「また後輩をからかっていたね」
「面白いようにひっかかってくれるからね。でもやっぱり君の顔が落ち着くよ」
「僕の顔がね……前にしんべえの顔がシンプルで変身しやすいって言っていたけど。そちらのが楽なんじゃないの」
「それはそうなんだけど。身長がどうしてもちぐはぐになってしまうからなあ」
「なるほどね。ところでこの休憩時間に予習でもしようと思っていたのだけど、どのページをすればいいと思う?」
「いや、もう時間ないよ」
「え? あ、ほんとだ。まいったなあ、迷っているうちに休み時間が終わってしまった……」
「私と一緒に今度は二人で後輩をだませるか試そう。そちらの方が有意義にすごせる」
「悪いやつだなあ。でも楽しそうだね。やろうやろう」
そう言って微笑む不破雷蔵。迷っている時間が勿体ない。それよりも自分と一緒に遊んでいた方が楽しいに決まっているのだと笑顔をみながら鉢屋三郎は考えた。

そして、ふと笑顔を曇らせ黒板の方に視線を向ける不破。

「でも、時々さあ。君の方が完璧な不破雷蔵で、迷ってばかりのダメな自分の方が偽物なんじゃないかなあって思うときがあるんだよ」
「くだらないことで悩んでいるね」
「だって、そうじゃないか。君は成績優秀で迷い癖もない。なりたい僕、そのものだ」
「私と君は根っこのところでは違う。本当はそこまでマネできたら完璧だけどさ」
「もうそっくりじゃないか。悪いところ以外は」
「そうかな。君の優しいところまでは、真似できない。姿だけ変えられているに過ぎないよ」
不破雷蔵は「優しいかなあ」と、また鉢屋の言葉で考えを迷いだした。

この友人は忍者の三病といわれるひとつ「迷い癖」がある。それさえ無ければ彼も優秀な部類だ。
また、くだらないことに悩ませたとばかりに鉢屋は話を変える。

「君は私が常に顔を借りていることに不満はないのかい?」
「え、なんで?」
考えたこともない、とでもいう風に不破は声をあげた。
真似された人は大抵が迷惑そうにするものだ。確かにそうだ。
常に自分が二人いるという気分はよくないと思う。

「しんべいは身長差が困るんだろう。僕なら身長も変わらないし楽なんだったら構わないよ。僕が迷っているときも君が迷っていないなら、前向きな自分をイメージできる気がするしね」
はは、と笑う不破。鉢屋も同じ顔で笑う。

――そういうところが優しいのだ。

鉢屋は友人に感謝する。千の顔を持つ男と言われているが時々、自分の顔を忘れてしまうことがある。
そんなときは焦ってしまうが、もう忘れたら忘れたで不破に戻ってくればいいと安心できる。


君の隣にいれば、私は誰にでもなれる。

「ありがとう。私は君のことが好きだから君の顔をいつも借りているんだ」
「僕も君のことは好きだよ。って男同士が好きだよ、って言い合っているのも変だね」
「いや、まったく私はおかしくないと思う」
「仲がいい友人だからいっか!」
「それ以上の意味で私は言ったつもりだけど。もちろん優しい君は責任とってくれるだろ」
「――え」

笑顔のまま不破が固まる。もちろん冗談だ。
彼がまた迷いだしたので、私は思い切り不破の背中をたたいてやった。


おわり。




※ ※ ※


ついにやってしまったー!
最近、忍たまの5年生の先輩、不破雷蔵と鉢屋三郎にときめいてやばい。
私はBLとか興味ないんだけど、この二人は好きなんですよー。双子? とよく言われるけど(最初そう思った)変装の名人が友人に化けているんですよ。
色々な人に化けているくせに最終的に友人の顔にいつも落ち着くとか、どんだけ仲いいの!?と。
わりとシリアス設定にもなれる二人。

双忍と検索すれば様々なイラストとかヒットして楽しいですが、時間泥棒ですね。
二次は怖い。
情報によると将来的に二人で仕事するようになるみたいです。作者がそう言っているとか。
そこもポイント高い。

しかし、まだ二人のしゃべり方とかよくわかっていないから適当です。
ちょっとした息抜きってことで。


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まとめtyaiました【君といると楽だから。】

「あー! やっぱり、鉢屋三郎先輩だ!」「ご名答~」いつもの如く、忍術学園の生徒たちに変装して悪戯をしかけている鉢屋三郎。乱太郎たちが後ろでまだ、喚いているが、今度は道を歩いていた立花仙蔵に化けて後ろからの追ってを巻く。5年生の教室に戻り、予習のページを?...
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