神殺しのリュシア

不死の傭兵である少女とそれを殺せと命ぜられた神官との絆の話。オチには途中で気付いたけど、それでも良かったと思います。


一話完結の少女小説はあまり買わないのだけど、これは気になったので読んでみました。
なぜ気になったのかというと「自分もこんなネタを考えていたから」なんです。
「おいおい、今更素人が何を言っても負け犬の遠吠えだぜ?」と言われても仕方ありませんが本当に不死の少女とそれを殺す人の話は夢想していたのですよ。
いや、でも読んでみて思いました。ここまでは上手く書けなかったかな、と。

竜がいる世界感で、人々は竜の恩恵をもらって生きていた。その竜も300年ごとに山に登り死を迎える。復活するのは一年後で人々はその待ちの期間を「死の一年」と言って我慢していたが、一年後にはまた恩恵を受けられると思ってありがたく待つのだけど、その一年を過ぎても竜が復活しない。
神官たちや、その竜の神殿がある国の人々は困った。冬が来るのが早く、春が遠い。
人々はなぜ竜が復活しないのか考える。その原因として、隣国が謀略の限りを尽くしているからだと思って戦争になる。その国さえ滅ぼせば竜が復活すると。
その竜を戻すための戦争(その根拠はないのだけど)に傭兵として参加する少女が主人公。
少女は不死であるから防具もつけず、傭兵団の団長にこき使われていた。
しかし、その彼も途中で出会った剛腕の剣士に殺される。フリーになった主人公は神殿の傭兵に雇ってもらう。
そこで、竜が復活しないのは禁忌を犯した自分のせいだと知る。そのせいで不死であるからだ。
出会った優しい神官と、護衛に雇われた青年と竜の山に登り死にに行く……って話。

まとまってないがこんな概要。
わりとシンプルなんですよね、ストーリー展開が。少女小説っぽくキラキラしておらず地味な話。そこが気に入りました。主人公は不死ですが、痛みは感じる。
傭兵団の団長に盾変わりに刺された瞬間は、えぐい。よく、こんな団長についていきましたよね。
で、神官が紫堂恭子さんの「辺境警備」のキャラに見えてきて懐かしい感じがしました。
みんなを平等に愛す優しい神官。でもリュシアと護衛の青年と一緒に山への旅をする件でようやく怒ったり、一人の人に執着することを理解する。
てなわけで、最初は神官ということで「へたれ」なんですけど後半はかっこいいですよ。
話の中心にあがってくる「神」は竜なんですけど、あれがそれとは途中できづきました。でもこの話のオチはこれで良かったと思います。ハッピーエンド。
これから人々は自分たちの力で生きていかなくてはならいのですけど。

昨日のナウシカとちょっと考えるポイントが近いような気がします。
人々は蟲たちと自分たちの住むところをかけて戦う。でもその戦争には結局意味などなくて、選択を間違えているところとか。
当事者たちは戦争の意味をわかっているようでわかっていない。結局のところ戦争に「意味」などなくて、勝っても負けても本当のところ得るものは何もない。失うものの方が多い。
現実の世界でも、誰か当事者に気付かせてくれればいいのですけどね。

そんなことを考えた休暇でした。重くね?
いえ、この小説は軽く読めるので良いですよ!

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まとめtyaiました【神殺しのリュシア】

神殺しのリュシア (f-Clan文庫)遠沢志希三笠書房発売日:2012-04-18ブクログでレビューを見る
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