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世間には残念な女子がたくさんいるけど関わるのはごめんだ その8

チャイム鳴って、次の授業が始まっているであろうときに、僕と八千草は駅のホームに立っていた。
授業が残っているが、ツカオンに何故か早急に謝らなくちゃいけないとかで二人して学校を抜け出したというわけだ。
「完全にさぼってしまった……いたって真面目な生徒であるこの僕が……」
かろうじてコートと財布は持ってきた。
しかし、八千草は早業で鞄とマフラーを装備していた。
彼女はこのままいつだって家に帰れるというわけだ。僕はいったん、鞄を引き取りに学校へ戻らないといけないが。
その際、どんな顔をして戻ればいいのかわからないが。

「人生にはケジメってやつが必要なのよ」
「あ?」
電車が来た。乗り込みながら僕は先生にどんな言い訳をしようかなと考えを巡らせていた。
八千草は椅子に座って長い脚を組んだ。サラリーマン風の親父が横目でちらと見た。
「あんたは、なあなあで終わって別に今まで忘れていたかもしれないけど、そのツカオンは次の恋愛に進めないでいるかもしれないでしょう。終わるなら終わる、誤解もあるかもしれないしね」
「誤解も何も、もともと付き合うつもりはなかった。友達でよかったと言っただろ」
「男女の友情は有り得ない」
「僕たちはどうなる」
「友達なの、私たち?」
「…………」
まあ、そうだな。僕たちは部活仲間なだけであって別に友情なんてないに等しい。
じゃあなんで、友達でもない奴と一緒に学校さぼってんだろ。
「とにかく、ツカオンに謝ってしまうのよ。あんたも次に進めないでしょ」
「別に恋愛しないのはツカオンのことがあってではないけど」
「けど、お姉さんたちに続き、そのツイッターの件があってから女性が怖くなったのは事実でしょ」
「まあ、そうなのか?」
「女性恐怖症に拍車がかかったのはそのせいよ」
「いや、女性恐怖症ではない」
「じゃあ、なんだっていうの。ゲイなの」
「それも違う」

不毛な会話をしているとツカオンの学校の駅に着いた。
ツカオンは山田紀子によると別の高校にいるとのことだ。
駅で順路を聞き、僕と八千草はてくてくと歩いていく。駅から坂を上ったところにその高校はあった。

「げ。まさか――」
「女子校なの?」

広い間口のその高校の門構えには『白百合女学院』と記されていた。

山田さんはあまり事細かに説明してくれなかった。
女子校とは思っておらず、僕はひるんだ。
しかし、八千草はひるまずにそのまま入っていく。
「おい、勝手に入れないだろ」
「いいの、うちの高校の新聞部でおたくの高校の新聞部と交流することになっていました。よろしくとでも言っておけばいいのよ」
「それ通じるのか?」
「他校に喧嘩売りにいったときに結構、有効だったわ。わりとそういうのあるみたいよ、実際」
「伝説が多いよな、八千草は……」

彼女の後ろについていくという形で僕もついていく。
女子校には初めて足を踏み入れる。
しかし、女の子に興味がない僕は何か恐ろしいことがおきるのではないかとか、そんな不安しかなかった。

む。女性恐怖症ではないはずだ、断じて。



つづく。
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