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沈黙博物館

沈黙博物館。素敵なタイトルではありませんか。これは小川洋子さんの昔の書籍ですね、土曜購入して二日で読んでしまいました。
(徳間文庫より)
小川洋子さんといえば「博士の愛した数式」ですがこれはおいおい買うとして(映画も見たいな)今回は小川洋子の世界に逃げ込みたかったのでこの本を選んだわけです。内容はというと主人公「僕」は博物館技師で(名前のとおり博物館をプロデュースする人)とある田舎町に住む老婆に雇われ人々の「形見」を展示する博物館を作ることになる。
老婆はその人の“本質”となる形見を昔から収集していたのだがその形見の収集方法というのがその死んだ現場などへ行き盗んでくることだった。老婆は弱りはてていたので後継者を探していたわけだ。老婆が今まで集めた村の人の形見と展示する博物館を作ると同時に収集も主人公に任される。
小川洋子さんの作品はどこか気持ち悪い。文章は綺麗なんだけどなんだかそれとは対照的に時々気持ち悪い表現をいれる。
たとえば老婆の額にはおできができているのだが彼女はイライラするとそのおできをかきむしりつぶす癖がある。おまけに痰を吐き出す。まあお年寄りなので痰を出したりするのはしょうがないが妙になまなましいのだ。んで主人公の「僕」は兄からもらった顕微鏡を持ってきていたのだがそれでよくいろいろなものを観察するのだがその観察対象もあまりいいものではない。タニシの精子やかえるの粘着質な上あごなど。

博物館を作る過程はおもしろかった。博物館を作る話なんで珍しいじゃないですか。物語では厩舎を博物館に変えていた。
それだけでも珍しい話だがそんな中街で猟奇殺人事件が起きる。女性の乳首が切り取られる事件だ。登場人物は少ないし流れ的に犯人はわかるのだがこれはミステリではないので逆にその犯人が主人公に協力してくれたり一緒にお酒を飲んだりしているのを読んで怖くなったものだ。淡々とのんびりと話が流れていくのに途中爆発事件も起ったりなんだかすごかった。
途上人物の中に沈黙の伝道師なるものが現れる。沈黙の行に入っている人々のことだ。なんだか本当にいそうな感じだった。

小川洋子さんの話はバッドエンドが多い。なんだか最後後味が悪いのだ。しかし、この話はそれが軽かった。微妙な言い方だが後味がいいとは決していえない。それでも沈黙博物館は完成したし人々の形見を収集していく仕事は受け継いだしそれはそれでいいような気がした。
そして読み終わっていつも思うのが「ああ、しばらくは世界に逃げないでおこう」と思ってしまう。彼女の作品は静かで物語に引き込まれてしまう感があるのだ。内に内に・・・なんだかいけない傾向だ。それでも読んでしまうのはときには読書に浸りたいからだろう。
ちょっと何も考えずに読書がしたいかも、そう思ったら小川洋子さんの作品がおすすめです。

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