で、返事をくれるかな。

私という女は一見、隠れオタクのように見えるらしい。
まあ、それは外れてはいないが隠れ……オタクもどきなのが私という女だ。
オタクもどきだから分かるがオタクというのは、膨大な知識を詰め込んでおり「流行り」には敏感だしネットは必ず毎日開く。で、私はアニメや漫画が好きな部類であろうと認識されているようだが、ちょっと好きなだけで二次創作で好きなサイトがあるわけでもないし、アニメは流行りのものなんか知らないし、見たとしても古いアニメ映画をいくつか見たくらいで最近は全く見ていない。ドラマの方が多いくらいだ。
漫画や文を書く趣味ももちろんない。だからそういうオタクの友達もいなくて――つまり、もどきなのによく勘違いされるのはなぜだろう。
髪を染めてなくて趣味が予想不可能な女の子はすべてオタクとなってしまうのか。それは偏見ともとれるわけだが。
で、ここまで語り私が何を言いたいかというと。
彼のセリフには驚いたということだ。

それまでは普通に事務的な会社の会話をしていた。私は仕事中に軽口をたたかない主義なのだが挨拶されたら世間話程度はする。彼から振られたの話は私の部署から出た男性が昨日の地域のシティマラソンでいい成績を残したということだった。
「そうですかー観に行ってませんが……」
適当に話を切り上げようとしてた矢先だ。彼の目が光る。
「でさ、返事を聞きたいんだけど」
「え?」
「――昨日、12チャンネルの恋愛掲示板に書いたことへの返事」
「……え?」

え、しか言えない。そもそも12チャンネルって何よ。NHKのこと? そして何の返事というのだ。私がそれをもちろん見ているだろうといった口調だ。
彼の顔がみるみる赤くなっていく。私はなんとなくこの反応で彼が何を書き何の返事を待っているのか予想がついて反射的に私も赤くなった。
それから、うつむいて。
「掲示板見てない。確認してみるから」
「うん」
心臓がどくどく脈うってる。彼は私を完全にオタクと思って毎日そこをチェックしていると思い込んで書きこみしたようだが私はチャットもしたことないしツイッターもしたことないし、実はブログも書いてない。非IT革命児かもしれない。なんとかパソコンも持っているけれど触らない日がほとんどだ。
勘違いしている。
けれど憤るよりも彼の書いた言葉を早く確認したくてたまらなかった。

それこそ私の勘違いだったりして。
まあ、いいか……恋愛なんて勘違いしてないと始まらないしね。




おわり。
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コメント

非公開コメント

ステキです!!
タイトルから展開がムフフな感じがしましたが、(いやらしい表現でスミマセン)期待を裏切らない展開、でもすっごくもどかしいところで話は終わってて、主人公の女性と同じようなわくわく感を味わえました!
日常のヒトコマを切り取った高瀬さんの書くSSはすきです☆
なんたって、いつも舞台や設定に「会社」が出てくるのが密かにツボです。

そしてリアルで会社大好き人間の私ですが、自分の書く物語には、あまり「会社」な場面は出したことがないなーと、ふと気付きました。

Re: ムフフ!

いつも高速でのコメントありがとうございます。
サワムラさんにどきどきすると言ってもらえたので良しとします。
実はこれ夢で見た内容なんですよ。私の願望でしょうか、こんな告白ありえないんですが(笑)
で、12チャンネルって本当に存在するみたいですがほぼ凍結しておりました。
現実でメジャーなのは2チャンネルですよね。
私の作品に会社がよく出没するのは単に身近な環境というだけで私は会社好きではなかったります(こら)
学生の頃は学校ものをよく書いてました。
逆に会社が好きなのにサワムラさんの作品はいつも設定が違っていたりしてそこがすごいですよね。自分の会社に似た設定を使用すればらくちんなのに全く異質なものばかり。でもファンタジーものではない。
人とよく話す人は人物の背景を描くのはやっぱり違ってくるものかもしれないなあと読んでて思います。
なんか返信長くなりましたが、感想ありがとうございました!また日記覗きにいきます。
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