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YとAの恋愛法則。

友人が私にたいして言う口癖がある。
「どうして恋愛をしないの?」

はて。どうしてであろうか。
私が聞きたいほどであるが恋愛体質である彼女は私が仕事に追われたり、仕事を追ったり、やっぱり仕事に追われている姿を見て不思議に思うようだ。
私だって、どうして自分が彼女のように誰かに夢中になっていないのかわからない。
そもそも、世のお嬢さん方はどのようにして出会い恋が始まるのだろうか。
まさか「恋愛しませんか」なんて言ってまわっているわけがない。彼女が言うにはそれは私自身が恋をしようと思ってないから始まらないというらしい。
「だって、そうでしょ。Aちゃんはーオーラで『必要以上に私に語りかけないで』って言っているような雰囲気なんだもん」
「そうかな。別に今日の天気くらい語りかけてくれたらいいのに」
「天気からスタートしなくちゃいけないの!?」
ともあれ、そんなYにひっぱられて合コンに来ている私たち。合コンと言ったら来ないでしょ、ということで最初私は友達と食事に付き合えと聞いていた。
別に団体で馬鹿騒ぎするものではないらしい。Yは私に気を使いこちら二名の相手二名、計四名の小規模な合コンをセッティングしてくれた。
「にしても、あなは彼氏がいるでしょう。いいのかしら、合コンなんて参加して」
「彼氏には言ってあるよ。Aちゃんにどうしても来てくれって頼まれているって」
「私がひっぱったことになってるの」
「そ」
なんだかんだ言って彼女も遊びたいだけなのだ。親切は半分。まあ、その方が気が重くなくていいけどね。

で、時間になって現れた男性たちは私たちより年上っぽい二人だった。一人は茶髪に赤いピアスをした遊び人風。一人は対照的に眼鏡をつけたインテリ風の男性だった。どちらもタイプではない。
「では、今日の出会いに祝してー!」
遊び人風の男が乾杯の音頭をとってから手際よく話を振っていく。なるほど、こいつプロだな。
趣味やら、料理はするの
やら、カラオケで何歌うやら、好きな異性のタイプやら、今まで付き合った数やら、結婚願望についてやら……。適当に答えていると、なんとなくノリのいい二人と私とインテリ眼鏡との半々に別れて話がはじまっていた。片方の盛り上がりを聞きながらインテリ眼鏡とぽつりぽつりと話をする。
「ところで、僕は最近思うんですが」
「何をですか」
「恋愛って絶対しなくちゃいけないものなんでしょうか」
「……」
こいつも私と同類らしい。片方のピアスの彼につれてこられたタイプに違いない。
「恋愛至上主義の子からしたら、するもんじゃなくて『してしまう』ものらしいわよ。気づいたら恋が始まるのですって」
笑う。彼はグラスを傾けた。
「それはうらやましいですね。僕は恋かな、と思ってもすぐその想いは環境の変化やらで時と共に消えてしまうんです。学生の頃に恋をしてもいずれはバラバラになって恋も冷めてしまうでしょう。だから恋が始まる前に終わって勘違いだったのかなあ、と大人になって最近考えたりして」
草食系男子というものか。私も似たようなことがある。
だったら、恋はかすかにしたことがあるのかもしれない。恋してた、のかもしれない。
「どうしたら恋はできるんですかね」
「それが私にもさっぱりわからないからここにいるのよ」
――ここで、この彼が『どうですか、僕ら恋愛をしてみますか』と言えばもしかしたら私はうなづいたかもしれないのに、やっぱり彼はそんなことはせず、
「ところで、仕事は何をされているんですか」
と急に話を変えてしまった。なるほど、と思った。
今私は私自身を客観的に見ているように感じた。こうして、恋愛が消えていってしまうのだ。
私も知らず知らずのうちに恋愛を流してしまっていたに違いない。それは一瞬の出来事でよく目をこらしていないと気付かないほど些細なこと。
「そうね、仕事は――」
単調なお互いの環境の話に戻り、そして言っていた天気の話になってお開きの時間となった。Yとピアスの彼は別に一緒に帰ることはせず、男性、女性と飲み屋の前でわかれて帰ることになった。
「で、しゃべれた!? メアド交換した!?」
「ううん」
「えー!? なんで、どうして!?」
「恋は……流れたわ」
「相性悪かったのかな。絶対あうと思うのになあ。ほら、Aって結構ぼーっとしてるじゃない。だからあんな感じの人がいいかなって。チャライの嫌いって前言ってたし」
「御好意はいただきます。ありがとう。でも、うん。ごめんね、次は捕まえるから」

恋愛はしてしまうもの。Yの法則は間違ってはないと思うけれど、そればかりでないと思う。私Aの法則ではこうだ。恋はする、でもなく、してしまう、でもなく……見逃さないことだと思う。
相手のちょっとした話し方やしぐさから恋の切れ端を見つけてそれをひっぱりあげることができたら私の勝ち。

あのときに私がインテリ眼鏡に
「どうですか、付き合ってみますか?」
と言えばどうなってたかはわからない。そしたらインテリ眼鏡は驚いて嫌そうな顔をするか、うなづくかはわかったものじゃないけれど、何かは動いた。
結局のところ、私は自らが動くことが考えの中に入ってないから恋愛ができないのだ。Yのように恋愛の切れ端がなくても相手の心をひっぱれる才能はすごいと思う。日常からどうやって非日常を招くか。

そこが焦点となるだろう。


おわり。
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